フロイドローズ弦交換【完全ガイド】
エレキギターのフロイドローズ弦交換の解説です。
最初は時間がかかりますが、この記事を読めば誰でもできるようになります。
ぜひマスターしましょう。
必要なもの
- 弦
- 六角レンチ 3mm
- ニッパー
- クロス
- チューナー
- ドライバー
目次
ブリッジの固定
ブリッジは弦の張力とスプリングの力がつり合うことで水平を保っています。
この状態をフローティングと呼びます。
このまま弦を外すと、スプリングの力でブリッジがボディ側に大きく傾きます。
ボディが傷つかないように、事前にクロスなどを挟んでブリッジを水平に固定しましょう。
古い弦を取り外す
ヘッド側の3つのロックナットを六角レンチで緩めます。
弦を押さえている金属のブロックは、弦の太さで摩耗が違うため、元の位置に戻せるよう覚えておくと理想的です。
次に、ペグを回して弦を十分に緩めます。
安全のため、弦がだるだるに緩んだ状態で弦を切断します。
張力の強い状態だと、弦が跳ね返って顔に当たり怪我をする可能性があります。
右手小指側面でブリッジ側を、左手で切る位置を持ち、ニッパーで切断します。
テンションバーは、可能であればそのままで。
というのも、木材にネジ穴のタップ加工(ネジ山)が処理されており、頻繁に開け締めすると、ネジ山が潰れる可能性があります。
外す場合は、ドライバーで緩めてください。
そして、ブリッジ側のサドルを固定しているネジを六角レンチで緩め、弦を抜きます。
このとき、弦を挟んでいるインサートブロックをなくさないように注意しましょう。
ギターの清掃
弦のないこの機会に、普段は清掃しにくい部分を綺麗にしましょう。
指板やフレット、ボディ、ブリッジの埃や汚れを拭き取ります。
使い捨てのクロス、綿棒、研磨剤が含まれていないポリッシュが安心です。
メイプル指板だとクリア塗装が施されているため、無理に剥がさないように。
レモンオイルは好みで。今回はメイプル指板なので使いません。
また、ペグやノブ、セレクタスイッチの緩みをチェックしておくと万全です。
新しい弦の取り付け
弦のポールエンドをニッパーで切り落とします。
プレーンの1、2、3弦は特に気にせず、巻き弦の4、5、6弦はほつれ防止のため根本を2mmほど残します。
切り口をサドルの奥までしっかり差し込み、インサートブロックの中央に弦がくるように意識し、六角レンチでサドルを固定します。
締めすぎるとインサートブロックが破損することがあるので、軽く止まったところから、きゅっと30度増し締めするイメージで十分です。
次に弦をヘッド側のペグに通します。
およそペグの1.5から2個先で折り目をつけ、その点を最大長として巻くと適度な長さになります。
ロック式なのでそんなに巻かなくても大丈夫ですが、チューニング安定のため、2、3周巻きがおすすめ。
テンションバーを外していたら、取り付けます。
テンションバーの出口からペグまで弦とヘッドが平行になるように締めます。
チューニング(最難関!)
ファインチューナーを可動域の真ん中あたりの高さに調整し、チューニングを行います。
ブリッジに挟んでいたクロスは外しましょう。
チューニングには、ストリングワインダーがあると便利です。
ペグにはギア比があり、ペグの回す量と実際の回転数は異なります。
特に1弦は切れやすいので、少しずつ回しましょう。
弦高を変えたい場合も一緒に調整しましょう。
チューニングを終えたら、オクターブチューニングを合わせます。
ブリッジのコマを緩めて前後に調整します。
弦高調整やオクターブ調整は、弦交換のたびに必須ではありません。
音程のズレ・フィンガリングの違和感がある時や、弦のゲージを変えた時、ブリッジ周りを分解整備した時に確認すると良いでしょう。
フロイドローズはアームダウンとアームアップを行うので、フローティング状態を基本とします。
ボディトップとブリッジボトムが平行に重なる状態が理想的です。
ブリッジのお尻が下がっていれば、スプリングの力が強い状態です。
ネジを緩めて、スプリングの力を弱めます。
ブリッジのお尻が上がっていれば、スプリングの力が弱い状態です。
ネジを締めて、スプリングの力を強くします。
ブリッジの微調整を行うと、音程が狂うので、再びチューニングを行います。
このチューニング→ブリッジの角度調整が正常になるまで根気よく繰り返してください。
チューニングが合ったら、ロックナットを取り付けます。
強く締めすぎると音程が高くなるので、均等に適度な力で締めましょう。
最後に、ファインチューナーで微調整して完了です。
お疲れ様でした。
おわりに
エレキギターのフロイドローズ弦交換の解説でした。
慣れるまで大変ですが、ひとつひとつの工程を丁寧に行いましょう。
ネジやロックナットなど部品を紛失しないよう、小物入れを用意するのもおすすめです。
ショップに依頼すると、1,000円から2,000円の工賃が発生します。
弦交換ができればギターへの理解が深まり、より愛着がわくでしょう。
ぜひチャレンジしてください。
▼エレキギターのライン録音
▼マルチエフェクターの解説
▼弦交換を行ったギター