【DTM初心者向け】Kontaktとは?無料版(Player)と有料版(Full)の違いを分かりやすく解説
Native Instruments「Kontakt」は、リアルな楽器の音をパソコンで鳴らすための定番ソフトです。
しかし、無料の「Kontakt Player」と有料の「Kontakt Full」があり、「どっちを使えばいいの?」と悩む方も少なくありません。
この記事では、そんなKontaktの基本から、無料版と有料版の決定的な違い、そしてあなたに合った選び方まで、分かりやすく解説していきます。
ポイント
- Kontaktはリアルな楽器を鳴らすための器
- 無料版と有料版では「使える音源の種類」が決定的に違う
- まずは無料版から始め、必要なら有料版の購入を検討するのがおすすめ
目次
Kontaktって、そもそも何?
Kontaktは、一言でいうと「たくさんの楽器の音をパソコンで鳴らすための器」のようなものです。
専門的にはサンプラーと呼ばれます。
世界中の開発元が、本物の楽器の音を一つ一つ丁寧に録音(サンプリング)し、Kontaktという共通のプラットフォームで使える「音源ライブラリ」として販売しています。
特に、オーケストラの生楽器など、リアルなサウンドを求めるDTMでは必須のツールと言えるでしょう。
最重要!無料版(Player)と有料版(Full)の決定的な違い
Kontaktには無料版(Player)と有料版(Full)があります。
| 比較項目 | 無料版(Player) | 有料版(Full) |
|---|---|---|
| 価格 | 無料 | 有料 |
| 動作する音源 | Player対応ライブラリのみ | ほぼ全てのKontakt音源 |
| Full版必須音源の動作 | 15分間のデモモード | 制限なく動作 |
| 音源の編集・自作 | ほとんど不可 | 可能 (スクリプト編集など) |
-
Player対応ライブラリ
無料のKontakt Playerで制限なく使えます。
-
開発元がNative Instrumentsにライセンス料を支払っている製品です。
-
NIの公式ソフト「Native Access」でシリアルナンバーを登録して使います。
-
Kontakt画面左側の「Libraries」タブにアートワークと共に表示されます。
-
-
Full版必須ライブラリ
有料のKontakt Fullがないと製品版として使えません。
-
開発元がNIにライセンス料を支払っていない製品です。小規模なメーカーや無料配布の音源に多いです。
-
もし無料のPlayerで読み込もうとすると、「DEMO」と表示され15分間の時間制限がかかってしまいます。
-
「Libraries」タブには追加できず、「Files」タブから直接ファイルを探して読み込む必要があります。
-
分かりやすい例で言えば、Kontaktの画面には、常にライブラリを表示する領域があります。
-
Player対応音源は、「Libraries」タブに表示されます。
-
Full版が必須の音源は、「Libraries」タブには表示されません。
参考:主要な音源メーカーと対応形式の例
| 無料版(Player) | 有料版(Full) | 独自エンジン |
|---|---|---|
| Audiobro | 8Dio | EastWest Sounds |
| Audio Imperia | Aaron Venture | Vienna Symphonic Library |
| Best Service | Audio Ollie | |
| Cinematic Studio Series | Soundiron | |
| Cinesamples | ||
| Embertone | ||
| Heavyocity | ||
| Spitfire Audio | ||
| Strezov Sampling |
なぜ多くの音源がKontaktを採用するのか?
これほど多くの音源がKontaktを採用する理由は、ズバリ「業界のスタンダード(デファクトスタンダード)」だからです。
音源開発者は、ゼロから再生エンジンを作る莫大なコストと手間を省き、音作りに集中できます。
利用者にとっても、使い慣れたKontakt上で様々なメーカーの音源を一元管理できるメリットがあります。
ただし、最近ではCinesamplesなんかが、独自のエンジンを開発して「脱Kontakt」を目指す動きも見られます。
【ここだけのはなし】ライセンス料と価格の関係
音源を無料のPlayerに対応させるには、開発元がNIに対してライセンス料を支払う必要があります。
小規模な開発元にとって、この負担は小さくありません。
そのため、フリー音源や低価格の音源は、ライセンス料が不要な「Full版必須」の仕様になっていることが多いのです。
その分、製品価格を抑えられるという側面もあるようです。
結局、いつ買うのがお得?
Full版は、単体で買うより「KOMPLETE」というバンドル製品で手に入れるのが圧倒的にお得です。
Native Instrumentsがサマーセールやブラックフライデーに大規模セールを行うため、購入を検討するなら夏や冬の時期がおすすめです。
私は「KOMPLETE」の必要性がなかったため、単体で購入しました。
よくある質問 Q&A
-
無料のPlayerと有料のFull版は、同じPCに共存できますか?
はい、共存できます。
Full版をインストールすると、自動的にPlayerの機能が上書き(統合)されるイメージです。
-
ライブラリに表示されない音源はどうやって使うの?
Kontakt画面上部の「Files」タブから直接nkiファイルを指定するか、よく使う音源を登録できる「Quick-Load」機能を活用します。
終わりに
今回は、DTMの定番サンプラー「Kontakt」の基本と、無料版・有料版の違いについて解説しました。
- Kontaktはリアルな楽器を鳴らすための器
- 無料版と有料版では「使える音源の種類」が決定的に違う
- まずは無料版から始め、必要なら有料版の購入を検討するのがおすすめ
この記事が、あなたがKontaktの理解を深めるきっかけになれば幸いです。
▼Kontakt音源おすすめ