MODO BASSのレビュー 他にはない物理モデリングベース
私が作るロック系の楽曲では、ベースの存在感が命。
でも、手持ちのシンセベースじゃ迫力不足だし、有名なサンプリング音源は打ち込みが複雑で…と何年も悩んでいました。
そんな時に出会ったのがIK Multimediaの「MODO BASS」です。
正直、最初は「物理モデリングなんてしょっぱい音だろう」半信半疑でした。
でも、使ってみて衝撃を受けました。
これぞ私にぴったりなツール。
この記事では、MODO BASSがなぜ画期的なのか、そしてその利点をレビューします。
おすすめする理由
- リアルなベースラインを簡単に作れる
- サンプリング音源の容量や価格に悩んでいる
- 打ち込み作業をスピードアップ
- 【唯一無二】 全てがリアルタイム生成される物理モデリング
- 【超軽量】 SSDを圧迫しない、わずか150MBの軽快さ
- 【高音質】 バンドサウンドに埋もれない「生きた」サウンド
- 【高コスパ】 セール時なら1万円以下も!お財布に優しい価格設定
- 【時短】 ベタ打ちでも”それっぽく”なる、魔法のような打ち込みやすさ
- パソコンのCPUパワーに少し依存する
- UIの鍵盤がちょっと小さい
目次
演奏をその場で再現する、物理モデリングという魔法
音源は生楽器のサンプリングが多いなか、こちらは物理モデリング音源となっています。
物理モデリング音源とは、楽器の構造、弦の振動、ピックアップの電気信号といった全ての要素をコンピュータ上で計算し、リアルタイムで音を生成する技術のこと。
これにより、サンプリング音源では再現が難しい、演奏のたびに生まれる偶発的なニュアンスを見事に表現してくれます。
実際に、MODO BASSはこれだけのパラメータを瞬時に計算しています。
| モデル | ベースの種類(全14種類) |
|---|---|
| プレイスタイル | 指弾き、ピック弾き、スラップ、ストローク、フィンガリング |
| 弦 | 本数、種類、太さ、状態(新しい or 古い) |
| ピックアップ | ブリッジ側とネック側のピックアップの選択、アクティブ or パッシブ |
| アンプ | 真空管 or ソリッドステート、GAIN、BASS・MID・TREBLE、EQ |
| エフェクト | オクターバー、歪み、コーラス、コンプ、ディレイ、フィルター |
多いですね!
これらを組み合わせることで、ヴィンテージなジャズベースから、モダンなメタルサウンドまで、文字通り無限の音作りが可能です。
それもその場で生成するので、毎回微妙な違いが生まれます。
百聞は一見に如かず。まずはこの音源を聴いてみてください。
指弾き、ピック弾き、スラップの順で、全く同じMIDIノートを再生しています。
ベロシティも変えていないのに、奏法を変えるだけでアタック感やサスティンが全く違うのがお分かりいただけるでしょうか。
これが物理モデリングの真髄です。
MODO BASS vs サンプリング音源 どう違う?
ここで、他の有名なベース音源と何が違うのか、具体的に比較してみましょう。
| 比較項目 | MODO BASS | Trilian | EZbass |
|---|---|---|---|
| 発音原理 | リアルタイム計算 | 録音サンプルの再生 | 録音サンプルの再生 |
| インストール容量 | 約150MB | 約34GB | 約5GB |
| サウンド | クリーンで現代的 | 太く生々しい | 即戦力で使いやすい |
| 表現力 | 奏法の組み合わせが多彩 | 奏法が豊富 | 自動フレーズ生成が強力 |
| 参考価格 | 2.5万円 | 4万円 | 2万円 |
| CPU負荷 | やや高め | 低め | 低め |
サンプリング音源が持つ「録音された生々しさ」も魅力的ですが、MODO BASSの圧倒的な軽さと柔軟性は、制作スタイルそのものを変えてくれます。
数十GBの空き容量を気にしたり、読み込みに待たされたりするストレスから解放されるのは、想像以上に快適。
さらに、スタンドアロンとして起動できるので地味に便利です。
スタンドアロン:DAWを使用せず単独で起動すること
なぜベタ打ちでもそれっぽく聴こえるのか?
MODO BASSの特筆すべき点は、打ち込みが非常に簡単なことです。
その秘密は、ベロシティ(音の強弱)に対する素直な反応と、奏法による自動的なニュアンス付加にあります。
極端な話、ルート音をベタ打ちするだけでも、MODO BASSが「指の動き」や「弦の揺れ」をシミュレートしてくれるため、不思議と機械っぽさが薄れます。
もちろん、さらに作り込むことでクオリティは格段に上がります。
制作スピードが上がるので、曲のアイデアを素早く形にしたい時にも、頼りになります。
安い
現在バージョン2が最新で、定価は€149.99(約2.5万円)です。
セールで半額以下の€49.99(約9千円)になることがあるので、お財布に優しいです。
パソコンのCPUに依存
リアルタイムで複雑な計算を行うため、CPU負荷はサンプリング音源より高めです。
特に複数のトラックで鳴らすと、パソコンが重くなることがあります。
しかしながら、最小システム要求がIntel Core 2 Duoレベルなので、最近のパソコンであれば快適に動作するでしょう。
鍵盤が小さい
ご覧の通り、画面下の鍵盤が少し小さいです。
バージョン2でさらにコンパクトになりました。
ただ、正直なところ、実用上の問題はほぼありません。
ほとんどの操作はDAWのピアノロールで行いますし、音作りはマウスでパラメータをいじるのがメインになるからです。
終わりに
IK Multimedia「MODO BASS」は、単なる便利なベース音源ではありません。
物理モデリングというユニークなアプローチで、容量、価格、操作性を解決する、画期的なツールです。
操作はシンプル、でもサウンドは本格的。
価格はお手頃、でも幅広いジャンルに対応できる。
この絶妙なバランス感覚こそ、MODO BASSが多くのクリエイターに選ばれる理由でしょう。
▼バンドサウンドに使えるアコースティックギター