【2025年版】おすすめマルチエフェクター5選を比較丨失敗したくない初心者から上級者の2台目にも

目次#

• マルチエフェクター5機種 スペック比較表
  • 補足① 思想が違う！「モデリング」と「プロファイリング/キャプチャー」
  • 補足② IRって何が重要なの？
• 1. ZOOM「G2 FOUR」
• 2. NUX「MG-30」
• 3. Line6「HX Stomp」
• 4. BOSS「GT-1000 CORE」
• 5. IK MULTIMEDIA「TONEX Pedal」
• 購入前にチェック！ファームウェアアップデートの重要性
• よくある質問（Q&A）
• 30秒でわかる！あなたに最適な一台は？簡易診断チャート
• まとめ シーン別・あなたに突き刺さる一台はこれだ！

マルチエフェクター5機種 スペック比較表#

1. ZOOM「G2 FOUR」#

エントリークラスの価格帯ながら、中級クラスの機能も取り入れたモデル。特筆すべきは、マイクの位置違いで3つのIRを重ねる「マルチレイヤーIR」技術。これにより、従来の同クラス製品と比較して立体的なキャビネットサウンドを実現。オーディオインターフェース機能は2in/2outで、自宅での練習から簡単なレコーディングまで対応します。

note

思想の深掘り：ZOOMは「ギターの楽しさを教える」ことに長けたメーカー。「G2 FOUR」は、初心者が迷わないよう、あえてパラメーターを絞り「良い音の正解」を提示してくれる教育者のような存在。マルチレイヤーIRは「良い音の基準」を耳に刻ませるための最高の教材。

tip

付き合い方：この一台で音作りを極めるのではなく、「自分の好きな音の方向性を見つけるための機材」として使う。ここで見つけた好みのエフェクトやアンプを、次のステップ（コンパクトエフェクターや上位機種への移行）に繋げるのが最も賢い付き合い方。

important

本音レビュー：正直、この価格でこのサウンドと操作性は「事件」です。特にマルチレイヤーIRの出来は素晴らしく、「昔のZOOMは音がペラペラで…」というイメージを持つベテランほど驚くはず。「もし私がギターを始めた頃にこれがあったなら」と心から思います。

caution

弱点と注意点：音作りの自由度は価格なり。アンプモデルのパラメーターは少なく、プロが現場で求めるような細かいニュアンス調整には限界があります。あくまで「用意された良い音」を「手軽に楽しむ」ための機材と割り切るのが幸せな付き合い方です。

warning

こんな人には向かないかも：お気に入りのコンパクトエフェクターをシステムに組み込みたい人（センド/リターンがないため）。

【ライバル対決 vs NUX MG-30】

手軽さで選ぶなら「G2 FOUR」、将来性で選ぶなら「MG-30」です。「G2 FOUR」の強みはパソコン不要の直感的な操作性。対する「MG-30」はパソコンエディタやセンド/リターン端子を備え、音作りの奥深さで勝ります。最初のハードルが低いのは「G2 FOUR」、長く遊べるのは「MG-30」と覚えておきましょう。

▼G2 FOUR / G2X FOUR Multi-Effects Processor for Guitar（日本語字幕）

▼公式サイト

G2FOUR & G2X FOUR Effects & Amp Emulator

マルチレイヤーIR搭載、ギターエフェクツ&アンプエミュレータ

zoomcorp.com

2. NUX「MG-30」#

32bitデュアルDSPを搭載し、1024サンプルの高解像度なIRに対応。低レイテンシー（2ms）を実現し、演奏時の優れた応答性を特徴とします。4インチの大型カラー液晶と直感的なUIに加え、このクラスでは珍しくセンド/リターン端子を装備しており、外部ペダルをシステムに統合可能です。

note

思想の深掘り：後発メーカーであるNUXの思想は、明確な「下克上」。上位機種の機能を惜しみなく投入し、「この価格でこれができる」という驚きを提供することで、既存のヒエラルキーを破壊しに来ています。センド/リターン搭載は「あなたの持っているペダルも活かせるから、仲間に入れてくれ」というメッセージ。

tip

付き合い方：パソコンエディタの活用は必須。これを「ソフトウェア」として捉え、DAWのプラグインのように音作りを楽しむのが正解。ハードの見た目以上のポテンシャルを秘めており、「隠れた名機を発掘する喜び」を感じたいガレージ精神旺盛なギタリストにこそ刺さる。

important

本音レビュー：サウンドの解像度は、一聴して「G2 FOUR」より一枚上手。特にクランチサウンドの追従性は特筆もので、ピッキングの強弱にしっかり反応してくれます。パソコンエディタの使いやすさも秀逸で、音作りを突き詰めたい人にはたまりません。センド/リターン端子があるのも大きなアドバンテージ。予算3万円台なら、間違いなくこれを選びます。

caution

弱点と注意点：本体だけでの深い音作りは少し煩雑に感じるかも。このペダルの真価はパソコンエディタとセットで発揮されるため、パソコンでの作業が苦手な人には魅力が半減してしまいます。

warning

こんな人には向かないかも：PCを使わずに本体だけで音作りを完結させたい人、フットスイッチを多用するライブパフォーマンスをしたい人（スイッチ数が少ないため）。

【ライバル対決 vs ZOOM G2 FOUR】

この2機種の最大の差は「拡張性」です。「MG-30」はセンド/リターン端子により、後からコンパクトエフェクターを追加してシステムアップグレードが可能です。「G2 FOUR」はそれができません。価格差以上の価値がこの「拡張性」にあると言えるでしょう。

▼NUX MG-30 Demo by @VinaiT

▼公式サイト（代理店・httpsではないので注意）

MG-30 | Multi-Effects | Products | ARIA 荒井貿易株式会社 Arai & Co., Inc.

www.ariaguitars.com

3. Line6「HX Stomp」#

フラッグシップモデル「Helix」と共通のSHARC DSPおよびサウンドエンジンを搭載。非常にコンパクトな筐体ながら、プロクオリティのサウンドと高い接続性を両立しています。ステレオ対応のセンド/リターンは、4ケーブルメソッドや外部ステレオペダルの組み込みに対応。MIDI機能も充実しており、複雑なシステムの司令塔としても機能します。

note

思想の深掘り：Line6が提供するのは音だけではない。「Helix」というエコシステム（生態系）そのもの。「HX Stomp」はその生態系への最高の入り口です。DSPの制限は、あえて不完全さを残すことで、ユーザーに工夫を促す設計かも。

tip

付き合い方：これを単体で使うのはもったいない。お気に入りの歪みペダル、MIDIスイッチャーなど、外部機器との連携を前提にシステムを組むことで真価を発揮します。DSPを計算し、自分だけのミニマムな最強システムを構築する喜びは、他の機種では味わえません。

important

本音レビュー：もはや説明不要のサウンドクオリティ。これをボードに入れておけば、どんな現場でも音が作れないという事態にはなりません。私が気に入っているのは、その反応の速さ。弾いた瞬間の出音がとにかく気持ちいいです。

caution

弱点と注意点：このペダルの最大の敵はDSP上限です。高品位なモデルほどDSP消費量が大きく、あれもこれもと詰め込むとすぐに上限に達します。このブロック数の中でどうやって最高の音を作るか？という制約を楽しめる、Mっ気のあるギタリスト向けの機材とも言えます。

warning

こんな人には向かないかも：DSPの残量を気にせず、好きなエフェクトを好きなだけ使いたい人。

【ライバル対決 vs BOSS GT-1000 CORE】

柔軟性の「HX Stomp」、安定性の「GT-1000 CORE」。「HX Stomp」はDSPの制約がある代わりに、豊富なエフェクトモデルとユーザーコミュニティの活発さが魅力。一方、「GT-1000 CORE」は圧倒的なDSPパワーと音の分離の良さで、どんな環境でも失敗しない安心感を提供します。どちらを選ぶかは、あなたがシステムに「楽しさ」と「可能性」を求めるか、「信頼」と「完璧さ」を求めるかによります。

▼HX Stomp 製品概要 | Line 6

▼公式サイト

HX Stomp - Line 6 Japan

HX Stompは、バックアップ・システム、ライブ用リグ、その他のモデラーのトーンを拡張するアドオン、オーディオ・インターフェース、またはこれ1台で完結するギター/ベース・リグとして使用できる“スーパー・ストンプボックス”です。コンパクトなサイズながら、業界をリードするHelixプロセッサーと同じハイクオリティでリアルなプロフェッショナルグレードのサウンドを実現するHXモデリングを搭載しています。

line6.jp

4. BOSS「GT-1000 CORE」#

BOSSのフラッグシップGT-1000の心臓部を凝縮。業界最高クラスのサンプリングレート96kHz、内部演算32bit float処理により、極めて高い解像度のサウンドを実現します。独自のAIRD (Augmented Impulse Response Dynamics) テクノロジーは、アンプ全体の相互作用を再現し、リアルな弾き心地を提供。2系統のセンド/リターンを備え、高い柔軟性を持ちます。

note

思想の深掘り：BOSSの思想は「信頼」と「安定」。AIRDテクノロジーは、どんな現場でも計算通りの音を安定して出すためのプロ向けの技術。奇抜さよりも、いつ、どこで、誰が使っても破綻しないという品質保証が製品の核。2系統のセンド/リターンは、まさにプロの現場で起こりうるあらゆる接続要求に応えるための答え。

tip

付き合い方：これは楽器であると同時に業務用音響機材と捉えるべき。そのサウンドは完成されすぎていて、時に無機質に感じるかもしれません。しかし、その無機質さこそが、バンドアンサンブルの中で絶対に埋もれない、プロが求める音の居場所を確保してくれるでしょう。

important

本音レビュー：AIRDテクノロジーによるアンプの弾き心地の再現度は素晴らしいです。特にJC-120やFender系クリーンは絶品で、他の追随を許しません。音の分離感も素晴らしく、複雑なコードを弾いても音が潰れない安心感はさすがBOSS。明日が大事なライブやレコーディングなら、迷わずこれを持って行くでしょう。

caution

弱点と注意点：音が非常に優等生なため、人によっては面白みに欠けると感じるかもしれません。また、豊富な機能性は裏を返せば設定項目が多く、そのポテンシャルを100%引き出すには相応の知識が必要です。

warning

こんな人には向かないかも：機材に「味」や「暴れる感じ」のキャラクターを求める人。あまりに優等生なサウンドが物足りなく感じる可能性があります。

【ライバル対決 vs Line 6 HX Stomp】

音の解像度とDSPパワーでは「GT-1000 CORE」が明確に優位です。特に複雑な空間系エフェクトを多用しても音が飽和しにくいのは大きな強みです。しかし、「HX Stomp」のほうがユーザー数が多く、ネット上でプリセットや情報を探しやすいというメリットもあります。絶対的な性能を取るか、エコシステムの大きさを取るかの選択になります。

▼BOSS GT-1000CORE Guitar Effects Processor

▼公式サイト

BOSS - GT-1000CORE | GUITAR EFFECTS PROCESSOR

GT-1000CORE: GUITAR EFFECTS PROCESSOR - 創造を生み出すサウンド・コア

www.boss.info

5. IK MULTIMEDIA「TONEX Pedal」#

他の4機種とは異なり、実機のアンプ/ペダルをキャプチャーする「AI Machine Modeling」技術に特化したペダル。アンプ、キャビネット、歪みペダルのサウンドと挙動を高い精度で再現することに主眼が置かれています。ペダル単体で空間系エフェクトは搭載しておらず、あくまで「最高のアンプ/歪みサウンドをシステムに加える」ための機材です。

note

思想の深掘り：IK MultimediaはDAWプラグインの世界で名を馳せた研究者と言えるでしょう。彼らの思想は「完璧な再現」。TONEXはアンプの挙動を解析し、デジタル上にクローンを作るという研究成果を発表する論文のような製品。エフェクトを搭載しないのは、我々の研究テーマはアンプの再現であり、それ以外は専門外だという潔さとプライドの表れかも。

tip

付き合い方：候補として挙げておいてなんですが、マルチエフェクターと思ってはいけません。世界中のヴィンテージアンプを詰め込んだ、持ち運べるアンプヘッドとして扱うといいでしょう。最高のアンプを手に入れたのだから、それに見合う最高の空間系ペダルを自分で組み合わせ、自分だけの理想のサウンドを追求する、終わりなき旅を楽しむための機材です。

important

本音レビュー：他の4機種とは全く土俵が違います。これは最高のアンプシミュレーターであり、空間系などのエフェクトは内蔵していません。しかし、そのアンプサウンドのリアルさは、他のモデリング方式とは次元が違います。特に真空管が飽和するギリギリのクランチサウンドの生々しさは鳥肌モノ。世界中のユーザーが作った「Tone Model」を試すだけでも一日が終わります。

caution

弱点と注意点：これ一台では完結せず、ディレイやリバーブを別途用意する必要があります。システム全体で音作りをする必要があり、手軽さとは対極にあります。特定のアンプサウンドを偏愛し、その音をどこへでも持っていきたいという、ロマンを追い求めるギタリストのための最終兵器です。

warning

こんな人には向かないかも：一台で全てを完結させたい人。ディレイやリバーブなど、空間系エフェクトは別途用意する必要があります。

【ライバル対決 vs 他の4機種】

これは対決ではなく「共存」です。「TONEX Pedal」は最高のアンプシミュレーターであり、他の4機種は「多彩なエフェクター」です。究極のシステムは、例えば「TONEX Pedal」 + 「HX Stomp」のように、「TONEX Pedal」でアンプサウンドを作り、「HX Stomp」で空間系やモジュレーションを補う、という形かもしれません。「TONEX Pedal」は、ライバルではなく、機材を完成させるための最後のピースになりうる存在です。

▼TONEX Pedal - Unlimited Tone. For Real - AI Machine Modeled tones live on stage

▼公式サイト

TONEX Pedal

hookup.co.jp

購入前にチェック！ファームウェアアップデートの重要性#

今回紹介したモデル、特に「HX Stomp」や「GT-1000 CORE」のような上位機種は、発売後もファームウェアのアップデートによって新しいアンプモデルやエフェクトが追加されたり、機能が改善されたりすることがあります。

例えば、過去のアップデートで「HX Stomp」には新しいアンプが追加され、サウンドの選択肢が大幅に増えました。購入を検討する際は、公式サイトで最新のファームウェア情報を確認し、今現在、このモデルがどこまで進化しているのかを把握することをおすすめします。それは、発売当初のレビューだけでは分からない、製品の将来性を測る重要な指標になります。

よくある質問（Q&A）#

• Q1. 正直、音質が一番いいのはどれですか？

• A1. 純粋な音の解像度だけで言えば、サンプリングレート96kHzを誇る「GT-1000 CORE」に軍配が上がります。しかし、アンプの生々しさという点では「TONEX Pedal」が、サウンドの多様性では「HX Stomp」が優れており、一概には言えません。あなたの良い音の定義によって答えは変わります。

• Q2. パソコンを使わずに一番使いやすいのはどれですか？

• A2. 「G2 FOUR」です。グラフィカルなUIと物理的な4つのノブの組み合わせで、説明書を読まなくても直感的に音作りが可能です。

• Q3. ベースで使うなら、どれがおすすめですか？

• A3. 「HX Stomp」と「GT-1000 CORE」は、ベース用のアンプモデルやエフェクトも豊富に内蔵しており、ベーシストにも非常に人気があります。特に「HX Stomp」は、そのコンパクトさからベーシストのペダルボードでも定番となっています。

30秒でわかる！あなたに最適な一台は？簡易診断チャート#

1
START
2
↓
3
Q1. 予算は5万円以上出せる？
4
→ NO：
5
　 → Q2. PCでの音作りは好き？
6
　   → YES：NUX MG-30 がおすすめ！
7
　   → NO：ZOOM G2 FOUR がおすすめ！
8
→ YES：
9
　 → Q3. ディレイやリバーブは手持ちのペダルを使う？
10
　　 → YES：
11
　　 　→ Q4：特定のアンプの音を完璧に再現したい？
12
　　 　　→ YES：IK MULTIMEDIA TONEX Pedal が天命です。
13
　　 　　→ NO：Line 6 HX Stomp でシステムを組みましょう。
14
　　 → NO (一台で完結させたい)：BOSS GT-1000 CORE が最適解です。

まとめ シーン別・あなたに突き刺さる一台はこれだ！#

5つの個性的なモデルを紹介してきましたが、最後にそれぞれのキャラクターを一行でまとめます。あなたが求めているのはどのタイプですか？

• ZOOM G2 FOURは「ギターの楽しさを教えてくれる、優しい先生」
• NUX MG-30は「上位機種に牙を剥く、野心的なチャレンジャー」
• Line 6 HX Stompは「制約の中で最高の仕事をする、クールな仕事人」
• BOSS GT-1000 COREは「どんな時も頼りになる、鉄壁の守護神」
• IK MULTIMEDIA TONEX Pedalは「アンプの魂を再現する、孤高の研究者」

これを踏まえて、具体的なシーン別に究極の選択を案内します。

• ケース① 自宅練習がメインの「お家ギタリスト」さん

  「G2 FOUR」 vs 「MG-30」：操作の手軽さを最優先するなら「G2 FOUR」。パソコンに繋いでじっくり音を作り込みたい、少しでも高音質な方がいいなら「MG-30」を選びましょう。

• ケース② ボードをコンパクトにしたい「ライブ派バンドマン」さん

  「HX Stomp」 vs 「GT-1000 CORE」：すでにお気に入りの歪みペダルがあり、空間系やアンプシミュレーターを追加したいなら 「HX Stomp」。これ一台でシステムの中核を担わせたい、BOSSの信頼性を重視するなら「GT-1000 CORE」です。

• ケース③ 特定のアンプを愛してやまない「サウンド探求家」さん

  「TONEX Pedal」一択。迷う必要はありません。あなたのお気に入りのアンプ、もしくは憧れのアンプを手に入れてください。そして、空間系ペダルは買い足しましょう。それが理想の音への最短ルートです。

最後に。 スペックやレビューも大事ですが、最終的に一番重要なのは「弾いていて心が躍るかどうか」です。この記事が、あなたの心を躍らせる機材を見つけるための案内になれば嬉しく思います。

※免責事項

本記事に掲載されている価格やスペックは、2025年7月時点の情報です。最新の情報は各公式サイトでご確認ください。また、本記事は特定の製品の購入を強制するものではなく、個人の見解に基づいた情報提供を目的としています。