E-Ⅱ ST-2レビュー ESP傘下のプロ品質ギター!サウンドの評判を音源付きで
メインで愛用しているエレキギター E-Ⅱ「ST-2」のレビューです。
ESP直系ブランドE-Ⅱによる、モダンストラトタイプ。
プロレベルの丁寧な造りと、コイルタップによるサウンドの多様性が魅力的。
テクニカルなプレイを追求し、ジャンルを問わず長く使える「最高のパートナー」を探しているギタリストに、自信を持って推薦します。
すでに生産完了となり公式サイトから消えていますが、個人的には追い求めていた理想のモデルです。
GOOD- 高級感あふれるキルトメイプルトップ
- Floyd Rose搭載で安定したチューニング
- コイルタップによる多彩なサウンドメイク
- 繊細なカッティングが似合うストラトタイプ
- ハードロックやメタルにも対応する汎用性
- 抜群の演奏性を誇るネック
- 20万円を超える価格帯
こんな人におすすめ
- テクニカルなプレイをしたい
- メタルからポップスまで1本で対応したい
- 完成度の高さを重視したい
目次
仕様
項目 詳細 BODY (Top) Quilted Maple, (Back) Alder, w/Natural Binding NECK Hard Maple GRIP SHAPE Thin U FINGERBOARD Maple RADIUS 305R SCALE 648mm NUT (WIDTH) Locknut (42mm/R2) INLAY Dot, 12th at ESP FRET XJ, 22 frets CONSTRUCTION Bolt-on TUNER GOTOH SG360-07 MG-T BRIDGE Floyd Rose PICKUPS (Neck) Dimarzio ST2 Custom (Bridge) Dimarzio ST2 Custom PARTS COLOR Chrome CONTROLS Master Volume, Master Tone(Coil Sprit SW), Toggle PU Selector
最重要視する「握り心地」
ギターを演奏する上で私が一番重要視している点が、ネックの触り心地です。
手が本体に吸い付くというか、身体と一体化するというか。
グリップした時の厚さがちょうど良く、ストレスがありません。
フレット移動も1フレットから22フレットまで引っかかることなくスムーズです。
ネックは4点止めのボルトオンですが、ヘッドからブリッジまでレベルが狂うことがありません。
試奏の際、本家ESPも触らせてもらいましたが、遜色ありませんでした。
Ibanez系とFender系の中間的なネックなので、両者が苦手ならおすすめ。
ネックの沼にはまっているなら、その答えがここにあります。
プレイヤーの腕が試される「高出力で素直な音」
やはりギターを購入する際は、音が良いか悪いかがポイントになるはずです。
ピックアップはディマジオ製で、高出力です。
搭載されているDimarzio ST2 Customは、このモデル専用のカスタム品で希少性もあります。
繊細さも兼ね揃えており、ピッキングのニュアンスを忠実に反映します。
プレイヤーの腕が音に出力されるので、非常に弾きごたえがあります。
出音がクリアかつ素直なので、アンプやエフェクターの良さを引き出してくれます。
このセッティングってこんな音になるんだ!と新しい発見があると共に、音作りの基準となるでしょう。
個人的にはフロントとリアのミックスされた音がバランス良くて好きです。
1本で2本分働く「コイルタップ機能」(比較音源あり)
ストラトならシングルコイルで鳴らしたい。
本モデルはコイルタップ付きで、そんな夢を叶えてくれます。
コイルタップ:ハムバッカーピックアップ(コイルが2つ)の片方のコイルをキャンセルし、擬似的にシングルコイルピックアップ(コイルが1つ)のようなサウンドを作り出す機能のこと。
私は5wayのピックアップセレクターが苦手なため、SSH配列よりHH配列でシングル・ハム両方を備えていることも嬉しいポイントでした。
ここで音の比較をしてみましょう。
アンプは同じセッティングで、ピックアップごとに音を録音しました。
シングルコイルのフロント・ミックス・リア、ハムバッカーのフロント・ミックス・リアの順です。
シングルコイルではジャキジャキ感がありながらも、芯のある絶妙なバランス感覚があります。
一方ハムバッカーでは重々しくありながら、6本の弦すべてが分離するような音に注目してください。
この1本で2本分の働きをしてくれるので、宅録もステージでの演奏も任せられます。
絶妙な「重量感」そのバランス
重くもなく軽くもなく、ちょうど良い重量感です。
およそ3.6kgです。
座って身体が接触してもブレることなく、立っても重心のバランスが取りやすく、非常に好感触。
ESP直営店ならでは「調整費永久無料」
ESP直営店で購入したので、調整費が永久無料です。
ネック調整、弦高調整 、オクターブ調整、ピックアップ高さ調整が対象です。
弦交換や修理、部品交換は有償です。
特にネックの反りでビビることがあるため、日常的なメンテナンスをプロに見てもらえることは安心です。
価格は高い?品質とのバランスを考える
ライバルはIbanezやSCHECTERになるかと思います。
同価格帯・スペックと比較すると、割高かもしれません。
他メーカーが安いからそう見えますが、品質に対して値段相応かなと納得しています。
この価格差は、細部のパーツグレードと作りの丁寧さに現れています。
例えばペグには、弦交換を容易にしチューニングを安定させるGOTOH製のロック式ペグ「SG360-07 MG-T」を標準搭載。
ブリッジもプロの現場で絶大な信頼を得ている「Floyd Rose Original」です。
さらに、フレットサイドの滑らかな球面処理や、寸分の狂いもないネックジョイント部の仕上げ、塗装の丁寧さなど、長く使うほどに実感できる品質の高さが、この価格に込められています。
末永い品質を求めるなら、本機を選択する優先度が高くなるでしょう。
ESP系列の価格はブランド別に細分化されており(ESP > E-Ⅱ > LTD)、お財布と相談しやすいですし。
終わりに
メイプルの美しさ、プロがワールドツアーで採用するサウンド、そして何より、いつまでも弾いていたくなるネック。
E-Ⅱ ST-2は、これらすべてを驚くほど高いレベルで満たしてくれるギターです。
生産完了品のため、今や中古市場でしか出会えないかもしれません。
しかし、もし楽器店で見かけることがあれば、ぜひ一度手に取ってみてください。
きっと、私がなぜこれほどまでにこのギターを愛用するのか、その理由を体感できるはずです。
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